カスハラ対策の重要性とは

カスハラ対策の重要性とは

■接客を行う方はカスハラ対策を心がけましょう!

事業を行う者であれば、顧客とは良好な関係を築いていきたいという想いはあります。

それでも、顧客とのトラブルは付き物です。

こちら側がミスしたことに関しては、丁重に謝罪するなり、他の迅速な対応をするなりの誠意を見せれば、納まるケースは多いです。

ただし、顧客側に良からぬ人物がいるケースもあります。

自分は客であるという立場を利用して必要以上に謝罪や見返りを要求してくることを、カスタマーハラスメント(カスハラ)と言います。

実際に経験した事例ですが、本来は返還しなければならないある書類をどうしても記念として取っておきたいという要望がありました。

それが業者間の連絡ミスで書類を誤って返還してしまいました。

その事実を知った顧客はクレームを言ってきました。

クレームを主張すること自体は問題ありません。

ところが、この顧客は、「どうしてくれるんだ。」と強く主張してきました。

こちらは謝罪はしましたが、「その書類はもう帰ってきません。」と返事したところ、

「そちらから何か提案はないのか」と語気を強めてきました。

こちらからは「元請業者と下請業者と協議したうえで検討させてもらいます。」と回答して電話を切りました。

ここで、おかしいと思ったのは、顧客が「提案」という言葉を用いたことです。

普通の会話で「提案」等という言葉を使うことはほぼありません。

何故この言葉を使ったのか疑問でしたが、答えがすぐにわかりました。

顧客は、自分から相手方に対して要求することができないのです。

もし仮に顧客が、金品を要求すれば、恐喝罪に該当します。

恐喝罪とは、相手方を怖がらせて金品を脅してとること。

恐喝罪なら10年以下の懲役です。

このことを知っていたからこそ、この顧客は提案という言葉を用いたのです。

ですから、クレーマーとしては常習犯なのかもしれません。

他にも、謝罪して賠償の内容を提示しているにもかかわらず、大声を出して相手を脅したり威嚇すると脅迫罪に該当します。

脅迫罪なら2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

謝罪しているにもかかわらず、土下座や辞職等の不要な義務を強要すると強要罪に該当します。

強要罪なら3年以下の懲役です。

事業主や経営者は、カスハラ対策として、上記の罰則を覚えておくことをおすすめします。

このことを知っていれば、顧客の行為が罰則に該当すれば、そのことを主張すればよいのです。

そうすると、顧客もそれ以上のことを言えなくなります。

今や右肩下がりの時代で、貧富の格差が大きくなっている時代ですから、仕事や家庭等の現状に不満を持つ人たちがたくさん溢れています。

その不満が接客の応対のミスで爆発するわけですから、気を付けなければ火の粉があちこちに飛んでくるわけです。

特に接客の度合いが多い業種では、特にカスハラ対策は会社だけでなく、従業員を守るためには必要不可欠です。

以前にカスハラを受けた従業員が暴行を受けたり、精神疾患となってしまったり、自死に至ったケースもあります。

すでに大企業や官公署では、カスハラ対策を掲げているところもあります。

研修を行ったり、相談窓口を設置している所もあります。

今後は、顧客側もカスハラをすれば、罪に問われるという認識を持つ人が増えてくるでしょう。