■過去の栄光よりも今を輝かせるためにすべきこととは
FP人生相談で、50代の男性からの相談でした。
一流大学を出たものの、就職後、仕事が合わなかったり、人間関係がうまくいかず、転職を繰り返した挙句、40代で、ドロップアウト。
今は、自宅でひとり暮らしで、ニート状態。
独身で両親は既に他界し、身寄りもいません。
この先、どうすればいいのかという相談です。
学生時代は、優等生であり、プライドもエリート意識も高かったようですが、社会人となってから、一変してしまい、劣等生から落第生になったという典型的な転落人生です。
学歴の話をすると、自慢げに話をしますが、現在のことや将来のことになると、うつむき加減となっています。
学歴を自慢したい気はわかりますが、学歴が役に立つのは、就職の時くらいです。
その後、転職活動をするときは、学歴よりもキャリアや資格を重視するので、思ったほど学歴は役に立たないです。
学歴のことばかり、自慢する人とは、プライドが高く、相手を見下したいという願望が強い人です。
ですから、職場で威張ったりして、周囲との人間関係を築くことができない傾向にあります。
いつまでも過去の栄光にとらわれていてはだめです。
それは、単に現実逃避しているだけだからです。
相談者にも、そのことを伝え、「過去にとらわれてはいけません。これからどうするのかを考えましょう」と助言しました。
やるべきことは、以下の3点です。
1.経済基盤を確立すること、つまりは収入を得ることです。
今は、貯金を切り崩す生活ですが、収入を得られれば、生活も精神面も安定します。
年齢的にも性格的にも、再就職はきびしいので、起業してみるのも一案です。
自分で情熱を注ぐことができる事業を計画して、実践してみてはどうかと提言しました。
こういうプライドばかり高い人は、失敗することに慣れていないのですが、起業しても最初からうまくいく可能性はないに等しいです。
一つ失敗しても、それを教訓に経験と実績を積み重ねて、トライアンドゴーで行けば、うまくいく可能性はあります。
今の人生がすでに失敗しているのですから、ゼロからのスタートだと思って、取り組んでみるのが、望ましいです。
2.コミュニティへの参画です。
単身者で、知人友人もほぼいない状態なので、サークルや町内会などのコミュニティに参加してみることです。
決して、その場で学歴自慢や威張りちらしてはいけません。
話し相手ができるだけでも、精神的に安定します。
3.健康面、体力強化です。
ずっと家の中にいるようなので、毎日外出してください、できれば、散歩や運動をして下さいと助言しました。
家の中で一人でいると、どうしても昔のことばかり、思い出されてしまいますが、過去を引きずるだけであり、決していい環境ではありません。
体を動かすことによって、血流がよくなり、やる気も出てきます。
相談者は、まだ50代ですから、老け込むような年齢ではありません。
いつまでも過去に生きず、未来へ向かって歩みだすことです。