■ネットで自動車を購入するときに潜む落とし穴とは!
先日、普通自動車の中古新規登録という業務を行いました。
地方のディーラーからの依頼でした。
車を陸送で9時に運んでくるという電話をもらい、当日、待っていたところ、自分で運転してくるとのことで、出発が遅くなり、10時に変更してほしいということでした。
購入者であるお客さんも9時に来る予定でしたが、10時に変更してもらいました。
10時に陸運局で待っていてもなかなか到着せず、結局10時30分に到着しました。
陸送で遅刻したのは、これが初めてです。
ところが問題は、遅刻だけでなく、持ち込んだ車について、お客さんが不満を言い、契約を解約したいと言いはじめました。
見たところ、あちこち痛んでいるし、車の中には余計なものが積んであったということでした。
よく聞くと、インターネットで自動車を購入したとのことでした。
自動車の売買契約の場合、クーリングオフの適用はありません。
クーリングオフとは、口の上手いセールスマンに乗せられた契約や、強引な訪問に断りきれずに契約した消費者に対して与えられた契約を解除する権利の事です。
しかし、自動車売買契約では、店頭にての契約はもちろん、営業スタッフが自宅へ突然訪問されての契約であってもクーリングオフ制度は適用されません。
ただし、自動車売買に関しては、契約成立条件というものがあります。
契約書(注文書)にサインと捺印をしても、契約の成立条件行為が行われなければ契約の未成立となり、契約成立前(申し込み)と言う形になります。
つまり、契約成立前であれば、買主は契約をとりやめにすることが自由にできます(申込の撤回)。
要するに、契約書や注文書を取り交わして直ぐには契約成立にはならないという事です。
契約成立条件になる行為があれば「契約承諾の意思表示」となり契約成立となります。
しかしながら、今回のケースは、現金で購入し、注文書もあり、登録後のため、契約が成立しています。
この場合、車が走らないなどの瑕疵でもない限り、賠償金の請求もできません。
やはり、今回の一番の間違いはインターネットで車を購入したことです。
現物を見ていれば、この車を購入することもなかったはずですから。
そのようなことから、ネットで車を購入するのは、オススメできませんね。