提案書を作成する意義とは

提案書を作成する意義とは

■営業マンは顧客のために全力を注いで提案書を作成すべし!

営業をしている方の仕事とは、お客さんに自社の商品やサービスを提供することです。

商品であれば、住宅・自動車・生命保険・有価証券等があります。

また、サービスであれば、各種の代行サービス等があります。

いずれであっても、商品やサービスの魅力をいかに伝えて、顧客に購入あるいは利用していただくことが目的です。

その目的を達成するための手法の一つとしてあるのが、提案書です。

提案書は、個々の顧客に最適な商品やプランあるいはサービスを伝えることです。

言わば、オーダーメイドであり、パーソナルプランとでもいうべきものであります。

ですから、提案書というのは、顧客本位で作成すべきものです。

顧客もそのことを重視していますから、提案書の内容次第で、商品を購入したり、サービスの提供を受けるわけです。

提案書の出来次第で商品が売れるのか、売れないのか、サービスを利用するのか、利用しないのか、顧客も判断材料として検討するわけです。

結果の出せる営業マンは、トークだけでなく、提案書の書面にも、充実した内容が盛り込まれ、顧客のメリットや将来どうなるのかを提示するわけです。

そのようなことが理解できているのが、一流の営業マンと言えます。

ところが、営業担当者の中には、提案書の意義を全く理解していない輩もいます。

実際にあった例ですが、自動車販売の営業マンが顧客に新車を販売したところまではよかったのです。

その営業マンは、新車を購入した顧客の自宅を突然訪問し、提案書を提示しました。

その提案書の内容は、購入したばかりの新車を下取りに出すと今の時点で、高額な下取額となるので、また同じ新車を購入してはどうかという提案でした。

常識的に考えれば、新車を購入したばかりで、下取りに出して、差額分を支払って、また新車を購入することに何のメリットがあるのか理解できません。

顧客側も困惑したようで、その提案のどこにメリットがあるのか、営業マンに尋ねました。

そうすると、営業マンは、「車検が1年延長になります。」と答えました。

提示された金額は、100万円超です。

車検が100万円超もするはずがありません。

顧客は憤慨し、その会社のお客様相談センターに通報しました。

そのセンターの担当者から営業所の所長に連絡が行き、事情の説明がありました。

その営業マンは、上司から叱責され、顧客の要望により、担当から外されました。

その営業マンの作成した提案書は、あくまでも自分のノルマや営業成績を補うための提案書だったからです。

つまりは、顧客本位でなく、自分本位な提案書だったのです。

そのことを見破られたので、その営業マンは、異動となりました。

顧客からお客様相談センターに連絡が行った時点で、営業マンにとっては、万死に値します。

つまりは、顧客からレッドカード(退場処分)を突き付けられたということです。

営業マンとしては恥ずかしいことです。

なおかつ、この営業マンはもう1つ大失態を犯しました。

それは、顧客に噓の情報を流したのです。

営業マンは、「今、うちの会社は危機的状況にある」と言って、顧客に不安を煽って車を購入させようとしたのです。

そのこともお客様相談センターに言うと、「うちの会社がいつ危機的状況に陥ったんだ」とその営業マンをさらに叱責しました。

所長も「そのようなことはない」と断言しました。

顧客に対して嘘をつくというのは、営業マンのタブーです。

信用を失う行為です。

ですから、この営業マンは、最低レベルであると言わざるを得ません。

営業活動は信用と実績がものを言います。

そのためには、血のにじむような営業努力をしなければなりません。

その最終形こそ提案書であるべきです。

提案書には、顧客本位で他社にも負けないような魅力ある商品やサービスが提案されているのが本来の姿です。

ですから提案書の作成には時間と労力がかかります。

提案書を見る機会があれば、じっくりと見てください。

そしてたくさん質問をしてください。

疑問や不安が解決できれば、顧客も喜んで取引に応じてくれるでしょう。