行政書士FP武井事務所

お墓参り代行業を起業することとは

お墓参り代行業を起業することとは

■お墓参り代行業は簡単そうですが、事業としては難しいです!

先日、お電話でお墓参り代行業を始めたいという方から、相談を受けました。

50代の男性で、会社を退職して、お墓参り代行業を生業として始めていきたいということでした。

この方は、お墓参り代行業の経験もノウハウも何もないまま、見切り発車で始めようとしているわけです。

そのため、まずは、お墓参り代行業のニーズという点からお話ししました。

「お墓が遠くて、お墓参りに行くことができない」

「健康上の問題で、お墓参りにひとりで行くことができない」

このような方が、お墓参り代行業を利用します。

ですから、超高齢社会が進む中、お墓参り代行業のニーズはあります。

利用するといっても、単発で依頼することもあれば、継続して年に数回依頼を受けることもあります。

また、お墓参り代行業を起業するメリットとしては、

1.資本がかからない

お墓参りに必要な道具を自分で用意します。

特に、お墓専用の洗浄剤が販売されていますので、それを購入するといいです。

総額で1万円前後で用意できます。

2.ノウハウがなくても始められる

お墓参り代行業の経験はなくても、お墓参りの経験はあるはずです。

通常のお墓参りと異なるのは、作業の前後に報告書作成用に写真を撮影することです。

あと、お墓を洗浄剤で磨くことと、お墓に生えた草むしりをすることくらいです。

作業が終わったら、報告書を作成して、依頼者に送付します。

このように事業を始めるのは、簡単です。

一方、お墓参り代行業のデメリットは、

1.事業としては成立しない

お墓参り代行業を1件行っても、1~2万円程度が相場です。

集客をするにしても、ホームページが大半ですが、案外ライバルも多いです。

毎日のように依頼が入るならまだしも、月に数件程度しか依頼が来ません。

そのため、この事業だけで生業としてやっていくというのは、極めて困難です。

ですから、お墓参り代行業を主たる事業として行うのではなく、あくまでも他の本業があって、その関連事業としての位置付けで考えておくのが賢明です。

実際に、お墓参り代行業を行っている業者はどのようなことをしているのか考察すると、

1.石材店

お墓を取り扱う業者が副業で行うケースです。

2.清掃業者

ハウスクリーニングやビルメンテナンスの延長戦でお墓の清掃を行っています。

3.遺品整理業者

遺品整理業だけでは、きびしいので、副業で行っています。

4.便利業者

日常生活のお困りごとに対応しているので、その一つのサービスとして、お墓参り代行業を行っています。

5.タクシー業者

介護タクシー業者が、お墓参りに連れて行って、清掃を代行します。

以上です。

このように見ていくと、起業経験のない方が無理なく始められるのは、便利業者です。

便利業を始めていき、その中のサービスの一つとして、お墓参り代行業を行っていくというのが、現実的な始め方といえるのではないでしょうか。

起業するにあたり、事業計画をよく練りながら、無理のない範囲で、まずは便利業から始めてみることをおすすめします。

あと、集客をどうするかです。

ホームページは必須となります。

余力があれば、ブログやツイッター等のSNSを活用してください。

チラシを作成したり、広告を出したり、周知してもらうことが必要です。

起業について相談するなら、専門家にご相談ください。