行政書士FP武井事務所

うつ病になった経営者とは

うつ病になった経営者とは

■経営者が病気になると会社も傾いてしまうことがあります!

景気の悪化に伴い、精神面のバランスを崩す方も増えています。

特に過酷な勤務による仕事でのストレスからうつ病になる方が増えています。

仕事における人間関係や、過酷なノルマ等を抱えていると精神的にパンクしてしまうのも無理はありません。

ただし、うつ病になるのは従業員ばかりとは限りません。

今や、経営者までもが、うつ病を発症するケースも見受けられます。

経営者がうつ病になると、会社の指揮系統が機能しなくなり、業務が回らなくなることもあります。

また、従業員のモチベーションやテンションも下がり、会社にとって、きびしい状況になりえます。

当職の知る経営者もうつ病を発症しました。

この経営者は、先代の社長である父親から社長の座を受け継いだ2代目です。

先代の社長の時代は、従業員もまとまりがよく、会社も順調でした、

この息子である2代目社長が就任してから、従業員との間で不協和音が生じました。

2代目社長の言うことを従業員が聞かないこともあり、そのことがストレスとなっていたようです。

この2代目は、元々脳に異常がある方で、与えられた仕事をこなすのは得意です。

しかし、自分で指令を出したり、会社の経営戦略を考えることは、まったく苦手でした。

そのことが、従業員にも見抜かれています。

会社の社長がうつ病になることによって、会社の士気がやはり下がります。

会社の進むべき方向性が見えない状況であるため、会社全体の空気が重苦しくなります。

そのため、従業員の中には退職する者も出てしまいました。

また、2代目社長は50代でありながら、いまだに独身で一人暮らしの生活が長いのです。

中小企業において、後継者がいない状況になると、業績が良くても黒字倒産することも起こりえます。

それがゆえに従業員もこの2代目社長のままでは、会社に未来がないと不安を抱えているわけです。

うつ病になると、回復するのにも時間がかかります。

それだけに会社の社長がうつ病になってしまうと会社の雲行きが怪しくなります。

それゆえに社長たる者は、己を律しなければなりません。

そのことをよく理解できていなかったがゆえにこの2代目社長は苦境に立たされているのです。

このようなケースでは、2代目社長に代わって第三者を社長に抜擢する、あるいは従業員の中から適切な者がいればその者を社長にする等の抜本的な対策が必要です。

せっかく長く築いてきた会社であっても、事業承継で失敗するケースはよくあります。

会社の社長となる方は、先見性を持つことや従業員の家族を守るといったことも重要な役割です。