飲食業で起業するリスクとは

飲食業で起業するリスクとは

■飲食業の開業は甘くはありませんよ!

誰しも一度は自分の店を持ちたいという夢を持ったことがあると思います。

自分で店を構えて繁盛すれば大成功という夢を見るわけです。

その結果、脱サラや定年後に飲食業を開業して店を構えようと起業する方が多いです。

飲食業の場合、下積みから修業を重ねてから、独立して自分の店を持つというパターンもあれば、修行もせずにいきなり開業してしまうケースも見受けられます。

飲食業は、たいした経験や修業をせずとも誰でも開業できますので、参入障壁が低いのも事実です。

ですから、事業計画も立てずに安易に飲食店を開業してしまうわけです。

しかしながら、よく考えてもらいたいのは、飲食業を開業する場合、リスクが大きいという点を見ておかないと必ず失敗します。

1.開業資金がかかる

飲食店ですから、当然のことながら店を構えなければなりません。

自宅でも店を構えることはできますが、店構えのための内装工事をしたり、厨房等も用意しなければなりません。

それでも自宅で飲食業を開業するケースは稀ですから、やはり店舗を借りることになります。

内装工事や厨房機器の設置、食材の調達の他にも毎月家賃がかかるわけです。

しかも飲食業は一人ではきびしいので、人を雇うと人件費もかかります。

つまりは、開業準備のためだけで相当な資金がかかり、なおかつ、毎月の経費もかなり掛かるということです。

ですから、店に一日に何人来てもらう必要があるのか、計算していないといけません。

2.集客が難しい

飲食業の場合は、集客できるかどうかが最大のポイントです。

店をオープンしたところで、お客さんが入ってくるわけでもありません。

最初はご祝儀のようなもので、お客さんが入るかもしれませんが、あとは店の様子を見て、判断されます。

飲食業はただおいしい物を作ればいいという訳でもありません。

店の雰囲気や価格や利便性等で判断されます。

行列ができるくらい集客できれば万々歳ですが、閑古鳥が鳴くような状態では、毎月の経費がかさみ、負債がどんどん増えていくばかりです。

そのようなわけで集客で苦戦すると1年も持たずに閉店の憂き目を見ることも珍しいことではありません。

3.看板メニューを作るのが難しい

ただ店を開けばいいというものではありません。

店を開く以上、来店してもらうために最も必要なものは、看板メニューです。

看板メニューは店の顔と言えるものですから、他の店にはない、あるいは他の店よりも圧倒しているくらいのおいしさがあるということです。

看板メニューがあれば、集客の壁を突破できます。

しかしながら看板メニューを作るのは簡単なことではありません。

時間もお金も労力もかかります。

看板メニューがなければ、ただ普通の店で何のウリも特徴もないので、集客が難しくなります。

このように見ていくと飲食業で起業するということは、ものすごく成功することが難しい業種であるということがわかります。

他の業種なら、一般的な成功率は10%程度ですが、飲食業の場合は、成功率は5%以下です。

それだけ成功することが難しいのです。

これまでにも、「居酒屋を開業したい」、「ラーメン屋を開業したい」、「すし職人が修業を終えたので開業したい」といった相談を受けました。

当方はその起業をすすめませんでしたが、起業準備を進めている方は、夢に向かってまっしぐらとなっているので、聞く耳を持ちません。

その結果、開店してあっという間に閉店となっています。

夢を追うだけではダメで、現実には、すぐにしぼんでしまいます。

それでもどうしても飲食店を開業したいなら、繁盛している店は何が違うのか、よく研究することです。

そして、来店してもらうために、SNSや広告宣伝も活用することです。

十分な研究と戦略を練ったうえで開業してください。

経営コンサルタントに相談してみてもいいと思います。

中小企業診断士や行政書士の有資格者なら適切な助言をもらえるでしょう。

飲食業は継続するのが難しい業種ですから、日々努力と精進を心がけてください。