■シニアにとってのパート労働は、きびしいものでありますよ!
先日、60代前半の女性パートの方とお話ししました。
この方は、若い頃から保育に携わる仕事をしていて、現在、生活費を稼ぐために、児童向け施設でパート職員として働いているそうです。
パート職員としての待遇は、時給1,150円だそうです。
現在、神奈川県では最低の時給は1,112円(2024年現在)ですから、時給としてはそれほど高いわけではありません。
シニアにとっては、これまでの経験やキャリアがありますが、パートだと、優遇されるわけでもなく、10~20代の若者と同じ程度の時給です。
1日あたり、5時間の労働で週3日勤務ということです。
ということは、1日当たりの収入は、5,560円で週に換算すると、約22,240円。
1か月あたりの収入は、80,000~110,000円ということになります。
この方は、今はこの仕事のみということですが、この金額だけでは、小遣い稼ぎにはいいかもしれませんが、生活費の足しにくらいしかなりません。
日々の生活に余裕はまったくないそうです。
これがシニアのパートの現状を表しているのではないでしょうか。
もっと若ければ、パートを掛け持ちする等により、前記の倍以上の収入にはなります。
しかし、シニアの場合は、個人差もありますが、体が無理がききませんので、勤務時間を延ばしたり、休みを入れないわけにはいきません。
年金受給前の方であれば、なおさら、生活費を稼ぐために、このような勤務体系で甘んじている方も少なくありません。
ですから、生活費を切り詰めたり、貯金を切り崩して生きていかなければなりません。
老後のことを考えれば、預金が2,000万円でも足りないのではないでしょうか。
また、シニアが働く場もまだ少ないと思います。
これから、シニア世代を宝として、採用する企業が増えてくることを期待したいです。
シニアを取り巻く環境も厳しいですが、シニア世代がパートだけでなく、正社員や起業をめざす等の活躍なくして、社会の発展はありません。
現役世代の方も事前に老後の対策を考えておくことも重要です。