■人生の晩年における悲劇ともいうべき出来事となる孫との別れとは
人と人が出会うために必要なもの、それは、「縁」です。
縁がなければ、どんなに近くにいても会うことはできません。
それは、血縁関係がある場合も同じです。
実の親子や兄弟であっても、家庭の事情で別々に暮らさなければならなくなったり、死別してしまえば、もう会うことはできなくなってしまいます。
逆に言えば、縁があれば、どんなに遠くに住んでいようと会うことができて、交流することにより、人間関係を形成することができます。
それほどまでに、縁があるかないかが人生での大きな指標ともなりえるものなのです。
今回、ご相談いただいた方も、70代の男性ですが、お孫さんが生まれて、喜んだのも束の間、お別れすることになってしまったとのことでした。
この相談者の息子夫婦は、子供が生まれるまでは、とても仲の良い夫婦でした。
ところが、子供が生まれた後、夫が育児に無関心で、妻にまかせっきりの状況だったため、夫婦仲に亀裂が生じて、離婚に至ったとのことでした。
離婚後、子の親権は妻が取得したため、相談者は、孫に会うことができなくなり、嘆いているのです。
この相談者にとっては、初孫で、とても愛おしい存在でしたが、たったの1歳で別れることになってしまったわけです。
離婚に関して、祖父母に原因があったわけではないかもしれません。
それでも、孫に会えなくなるというのは、人生の晩年における悲劇ともいえる事象です。
また、別のケースでは、祖父母に問題があったため、離婚となり、孫に会えなくなるケースもありました。
いずれにせよ、孫との縁が切れてしまったという事実に変わりはありません。
一度切れた縁は、再度つながる可能性は極めて低いものです。
残念ながら、お孫さんとの縁がなかったと思うしかありません。
もう会えなくなってしまったのですから、祖父母が心掛けるべきことは、孫の成長を心の中で祈ることのみです。
間違っても、祖父母には面接交渉権がありませんので、勝手に会いに行くことは、のちに問題となりますので、気を付けてください。
人生においては、つらいことや悲しいことも起こりえますので、この与えられた試練をいかに乗り越えて生きていくべきかを考え、行動することが求められます。