兄弟姉妹が老後に同居するためのルールとは

兄弟姉妹が老後に同居するためのルールとは

■兄弟姉妹と言えども、同居するなら事前に話し合っておくべきことがあります!

以前に相続手続を行った方で、90代の母親の相続で、相続人が60代の姉と妹の二人のケース。

実は、この姉妹がいずれも独身で、同居していたのです。

兄弟姉妹であっても、それぞれが就職や結婚などで独立すれば、一緒に住むというのは、考えにくいのですが、今やシニア世代になっても、兄弟姉妹が同居しているケースが増えています。

両親他界後、揃って結婚しないでいるパターンが多いです。

もちろん、結婚しても、離別や死別により、実家に戻るパターンもあります。

実の兄弟姉妹は、子供の頃から、一緒に暮らしてきているのですから、お互いのことは熟知しているわけです。

不仲でなければ、同居を選択するのも、よろしいかと思います。

単身で暮らすよりも、二人以上で生活していれば、話し相手ができますし、孤独死対策にもなります。

生活費の負担も半減するし、困りごとにも対応してもらえるので、メリットは多くあります。

ただし、いくら気心の知れた兄弟姉妹であっても、同居にあたり、ルールは定めておく必要があります。

ひとりに負担が重くなると不公平感が大きくなりますので、トラブルが発生すると、けんか別れとなり、別居に至ることもあり得ます。

したがって、お互いに話し合ってルールを決めておきましょう。

その最低限の同居のルールとは、以下の項目です。

1.生活面

例えば、お互いの部屋に無断で入らないことや生活に干渉しないことの他、風呂やトイレ等の清掃、洗濯、食事の準備等をどのようにするのかがあげられます。

2.金銭面

電気、水道、ガスなどの公共料金の支払や食費や修繕費などの生活費の負担の割合について、誰が負担するのか、あるいは折半するのかどうかを決めておきます。

3.健康面

病気やけがにより、入院したときのことや介護が必要になったときにどうするのか。

病院の手配や看護、介護サービスの利用のことを考えておきます。

4.終活面

死亡したときに、相続・葬儀・お墓・遺品整理についてどうしてほしいのかを決めておきます。

相続では、自宅の名義のことや預貯金、有価証券、自動車等の財産の処分や分配を聞き出しておきます。

葬儀は、希望するのかしないのか、形式面と費用面を確認しておきます。

お墓は、家の墓に入るのか、他に入るのか、散骨や樹木葬にするか等の形式面と費用面を確認しておきます。

遺品整理は、荷物の処分、デジタルのID&パスワードを確認しておきます。

以上のことを話し合っておくことで、お互いに暮らすメリットを享受できるわけです。

ただし、病気、障害、要介護等を抱えた兄弟姉妹がいる場合は、また別に対策も必要となります。

年齢を重ねた兄弟姉妹の同居生活は、お互いを尊重する精神が何よりも重要視されます。

同居しているのですから、生活共同体としてのルールや役割を順守することができるかどうかが、鍵となります。