■せっかく相続のご依頼をいただいても、最後までお手伝いできないのは無念です!
当相談所では、相続手続の依頼を受けた時は、依頼人の方と面談あるいは電話やメール等で、連絡を密にすることを心がけています。
大概は途中経過等を報告したり、必要書類の確認等を行うので問題ないのですが、まれに依頼人と連絡が取れなくなってしまうことがあります。
依頼人が仕事を抱えていれば、その点を考慮して、連絡を取り合うのですが、今回連絡が取れなくなった依頼人の場合は、やはり事情がありました。
この依頼人は、自宅とは異なる場所に住んでいたため、郵送でやり取りした際にいつまでたっても書類が返ってきませんでした。
電話をするにしても、夜8時以降にしてほしいということでしたので、指定時間に連絡しても、なかなかつながりませんでした。
途中まで書類収集や準備を進めてきましたが、連絡が取れなくなった時点で、こちらはキャンセルだと思い、放置していたところ、久々に連絡がありました。
当方は「連絡が取れないなら、今回の仕事はなかったことにします」と告げたところ、「申し訳ありませんでした。このまま継続してください。お願いします。」との回答でした。
しかし、その後、やはり連絡が取れなくなり、依頼を受けてから1年以上経過しても進展がないので、依頼を断り、これまでの作業した分の代金を請求することにしました。
この依頼人は、一見おとなしそうで、まじめそうなタイプでした。
しかし、どのような仕事をしているかは話しませんでしたが、あまり表立って話せるような仕事ではないようでした。
そのため、アパートを借りているにもかかわらず、別のところに住み込み、働いているようでした。
この依頼人は母親を小さいころに亡くして不遇な家庭生活を送っていたようです。
独身で身寄りもなく、孤独感が漂っていました。
それでも、育ててくれた父親の相続の依頼をしてきたわけですから、きちんと最後まで手続を終わらせようとする覚悟もなかったようです。
相続手続ができなくて困るのは、依頼人本人です。
相続手続は途中で止めてしまうとそのままになってしまうことが多いです。
亡くなった家族のためにも最後までやり遂げることが肝要です。