■自動車の相続手続で手続を簡単にする方法があるんです!
相続財産の中に自動車がある場合、相続手続が必要となります。
一般的な自動車相続手続の流れとしては、
1.相続人の調査(戸籍謄本等の収集)
2.相続財産の調査(車検証)
3.遺産分割協議(相続人間で誰が相続するのか決める)
4.名義変更(陸運局にて手続)
以上となります。
不動産や預貯金があれば、同時に手続を行うので、自動車が加わったことによる負担はそれほど大きいわけではありません。
ただし、自動車だけの相続手続で、相続人が多い、あるいは連絡が取れない者や海外在住者あるいは未成年者、認知症の者までいたりすると相続人の調査や遺産分割協議で手間がかかります。
しかし、被相続人が所有者となっている自動車の相続手続に関して、これらのことが簡略できるケースがあります。
それは、相続される車両の査定額が100万円以下の場合です。
その際、査定額が100万円以下であることを証明する書類が必要です。
この場合は「遺産分割協議書」ではなく「遺産分割協議成立申立書」という専用の書式を利用します。
これを利用すると車の名義人となる相続人以外の書類が必要なくなります。
遺産分割協議成立申立書で簡略化できることとは、
・署名、実印の押印が、新所有者のみとなります。
・印鑑登録証明書の取得は、新所有者のみ必要となります。
・相続人であることの証明は、亡くなられた方と新所有者の関係性だけ証明できればよいので、戸籍謄本の取得すべき枚数が軽減されます。
必要書類
□遺産分割協議成立申立書
□相続する自動車の価額が100万円以下であることが確認できるもの(査定証など)
□被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本又は戸籍の全部事項証明書
□申請人が相続人であることを証明できる戸籍謄本又は戸籍の全部事項証明書
□相続人の印鑑証明書(自動車を相続する方のみ)
□車庫証明書(被相続人と住所が同じ場合は不要)
□自動車検査証
なお、当該車両を売却あるいは廃車にする場合も一旦、相続人名義にする必要があります。
すでに売却先が決まっている場合は、ダブル移転ということで、相続による名義変更と売却による名義変更(移転登録)の手続を同時に行うことができます。
また、廃車するにあたっても、移転抹消ということで、相続による名義変更と廃車手続(抹消登録)の手続を同時に行うことができます。
※移転抹消登録とは参照
自動車の相続手続や売却や廃車までの手続に関しては、自動車登録に精通した行政書士に依頼するのが賢明です。