■自動車の相続手続で重宝する書類が査定書です!
これまで相続手続を数多く行ってきました。
相続財産で多いのは、不動産、預貯金、有価証券、自動車の順となります。
その中で自動車の相続手続を行う機会も多いです。
自動車の相続手続においても添付書類として、遺産分割協議書を付けるのですが、相続人には事情がある人もいます。
相続人同士が不仲であったり、認知症や未成年者や所在不明の者等がいることもあります。
このような相続人がいる場合は、遺産分割協議書を用意するのは手間がかかります。
遺産分割協議書を用意することが困難な場合、自動車の相続手続の場合は遺産分割協議書に代わる書類を添付することが可能です。
その書類が、遺産分割協議成立申立書です。
この申立書があれば、他の相続人から署名捺印をもらう必要はありませんので、手続がスムーズに進みます。
ただし、この遺産分割協議成立申立書で申請するためには、相続する自動車の価格が100万円以下の場合です。
自動車の価格が100万円以下であることを証明するための資料が必要となります。
その証明する資料が査定書です。
査定とは、自動車の適正な評価をすることです。
自動車は、車種や年式により価格も異なります。
さらには、傷や事故による破損等があれば、当然ながら価格も下がります。
この査定書を入手するための方法としては、
1.自動車販売店に依頼する
知り合いの自動車販売店があれば、その店に依頼するのがよろしいかと思います。
現実的には、自動車販売店から自動車相続手続の依頼を受けることもありますので、その場合はその販売店に査定書を発行してもらっています。
それが、手っ取り早い方法です。
ちなみに中古車の売買で査定書の発行を依頼しても、査定額が他社と比較されるので、発行に応じないケースもあります。
2.日本自動車査定協会に依頼する
自動車販売店と付き合いがない場合は、日本自動車査定協会に査定書の発行を依頼することになります。
日本自動車査定協会は、経済産業省と国土交通省の指導のもとに設立された一般財団法人です。
公的機関でもありますので、安心して依頼することができます。
各都道府県に事業所がありますので、近くの事業所に車を持ち込んで査定してもらうことができます。
持込の場合、事前に査定の予約をします。
持込時には、車検証・自賠責保険証明書・整備手帳・取扱説明書を用意します。
査定は、中古自動車査定士により、行われます。
約30分程度で査定業務は完了し、査定書が交付されます。
また、車を持ち込まなくても査定書を発行してもらうことも可能です。
その場合は、車種と年式から判断した標準的な金額で査定となります。
100万円以下であることが確実であれば、車を持ち込まないで書面審査する方法がおすすめです。
手続としては、査定業務依頼書の書式がダウンロードできますので、依頼書に記入します。
あとは、車検証や代理の場合は委任状を用意します。
ちなみに査定の費用は、1万円前後です。
査定の費用を振り込んだ後、後日、査定書が郵送されます。
査定書を取得する手続はそのものは、それほど難しいわけではありませんが、時間がない方や手続が面倒な方は、行政書士に依頼してください。
自動車の相続手続で査定書が必要な方は、専門家である行政書士に相談してください。