■死を直前に控えている身にも拘らず、なぜ人を欺くのか
日本人の死因の順位としては、一番高いのは、やはり、がんです。
がん患者となった場合、進行状況にもよりますが、早期発見ならば、まだしも進行が速くてがんが見つかった時点でもうすでに末期(いわゆるステージⅣ)になっている方も見受けられます。
人は末期のがん患者となったとき、何を考えるでしょうか?
残された時間は、そんなに長くはないと悟るでしょうから、自身の身辺整理もあります。
他にも、家族に対してできること、遺してあげること、伝えておくべきことは何か等を考えたりすると思います。
ところが、中には、そのようなことよりも目先の利益だけを考える不埒な者もいるから困ったものです。
聞いた話ですが、ある会社経営者が自分自身が末期がんであると周囲に公表しておきながら、全国各地に頻繁に出張を繰り返しては、取材という名目で遊び歩きまわっているそうです。
その陰で、詐欺的な行為で、取引先や顧客のお金を搾取して請け負った仕事は放置したままにしているそうです。
末期がん患者として、人を欺く行為を行うとは、どうなるのか。
医者ではないので、断定はできませんが、頭や口ではごまかすことはできても細胞レベルでは、がん細胞が増殖あるいは進行して、寿命を縮める行為となるでしょう。
つまりは命とりです。
この方は、真剣に自分自身を見つめていないし、そもそも本当に末期がん患者なのかどうかも怪しくなってきます。
命がかかった状態であれば、人を欺くような行為を行うはずがありませんから。
周囲の方もその方の行為に気づき、今では、近寄らず、警察等へ被害届を出しているそうです。
末期がんになったことを口実に人を欺く行為を行うということは、人の心をもてあそぶような戯け者で世の中を甘く見ている愚か者でしかないということです。
ちなみに後から聞いた話ですと、この方は元受刑者で名前を変えて詐欺行為を繰り返していたそうです。
そして、今や末期がん(咽頭がん)が進行して、首にたんこぶができた状態となりました。
心の状態が不気味な姿となって表れたのでしょう。
末期がんになったら、心を穏やかに身辺を整理して、いつでも旅立てるように終活を行うのが正しい行為ではないでしょうか。