■成年後見制度で不正が続発するための対処法とは
成年後見制度が導入されてから、20年以上が経過しました。
後見開始の申立件数も増加し、この制度が社会に浸透しつつある状況になりました。
ただし、その裏で、後見人が被後見人の財産を着服する事件も増加しています。
もちろん、業務上横領罪となります。
弁護士であれ、司法書士であれ、行政書士であれ、このような事件が起きるたびに胸が痛みます。
本当に残念なことです。
そんな中で、日本弁護士連合会は、成年後見制度で、弁護士が財産を着服する等不正があった場合に、見舞金を支給する制度を導入しました。
この制度は、確かに依頼人の被害を救済するために創設しようとするものであることは理解できます。
しかしながら、これでは、弁護士は後見人として、不正することを会として認めているも同然です。
弁護士に後見人を依頼するとこのようなリスクがあると思われてしまいます。
それでは、制度の趣旨を理解していないばかりか、他士業にも影響が出ます。
日弁連がやるべきことは、後見人として不正を行えば、資格だけでなく、これまで行ってきたことのすべてを失うことと、家族を路頭に迷わすことにつながるということを認識させるべきです。
後見人がやるべきことは何かということをきちんと理解していれば、このような制度は不要であると言えるはずです。