■単身者で献体と納骨を希望する場合にすべきこととは
一人暮らしをしている方が増えていますが、そうした方から終活に関するご相談をいただく機会も増えています。
先日も一人暮らしの男性の方から、献体に関するご相談をいただきました。
自分自身が亡くなった後、大学病院へ遺体を献体したいのだが、そのあと、納骨までやってくれる大学病院はあるのか探してほしいという内容でした。
献体とは、医歯学系の大学での人体解剖学の研究に役立たせるために、遺体を提供することです。
献体を行うためには、家族全員の同意が必要不可欠です。
同意が必要な家族は、配偶者・親・子・兄弟姉妹などです。
でも、この方のように一人暮らしで、親や子もいない、兄弟姉妹もいないという方の場合は、本人の同意だけで献体を行うことが可能となります。
ですから、献体のあと、納骨まで大学で行ってもらえるとありがたいので、そのようなご相談をされたわけです。
お気持ちはわかるのですが、現実には大学は献体までは行いますが、納骨までは行いません。
そのことを依頼者に伝えたところ、納得してもらいました。
納骨は、近親者がいない場合は遺言と併せて、遺言執行者に依頼する方法もあります。
また、終活団体や寺院に相談してみるのもよろしいかと思います。
一人暮らしの方は、亡くなった後のことをきちんと生前に決めておくことで、遺される方の負担を軽減できますので、献体だけでなく、納骨に関しても事前に決めておくことが肝要です。