■三途の川を渡るときに必要なものとは
戦国武将がブームとなっています。
有名な戦国武将をモデルとしたテレビドラマ(最近では真田丸)や舞台も数多く放映あるいは上演されています。
雑誌の特集等もよく目にします。
また、戦国武将のグッズもたくさん販売されています。
そんな戦国武将の中でも人気ナンバーワンとも言われるのが、真田幸村(本名は信繁)です。
真田家は小大名ながらも徳川軍を2度にわたり、撃退したのは、知略に優れていたからこそであり、まさにあっぱれといえます。
真田幸村は、1615年の大坂夏の陣で滅しましたが、あと一歩のところまで徳川家康を追いつめたというのは、天下を取る以上に強烈なインパクトを与えました。
それゆえに徳川家康から、「日本一の兵」と評されました。
その真田家の家紋として、知られているのが、六文銭です。
六文銭とは、三途の川の渡し賃です。
紋の意義は、仏教説話の「六道銭」によるものです。
六道とは、地獄道・鬼畜道・畜生道・修羅道・人間道・天上道をいいます。
六道の世界をめぐり、衆生を救済するために六地蔵に捧げる報賽銭(ほうさいせん)が六道銭(六文銭)です。
棺に六文銭を収める風習にのっとり、戦にのぞむ武士の決死の覚悟を表しています。
そういう意味では、終活的に言えば、真田幸村は、六文銭を兜に掲げて、エンディング(死)を意識して戦った勇敢な武将ともいえるのではないでしょうか。
以下、真田幸村が詠んだ辞世の句を紹介します。
さだめなき
浮世に候へば、
一日さきは知れず候。
我々事などは
浮世にあるものとは
おぼしめし候まじく候。
詩の意味は、「定めない浮世のことなので、一日先のことは私にもわかりません。我々のことなどは浮世に生きているものとはおぼしめし下さいますな」という意味です。
終活を行う上で、真田幸村の生きざまを見習いたいものです。