■相続対策や終活においても認知症になったときのことを考えておく必要があります!
相続税が改正されてから、相続対策がますます重要となりました。
相続対策といえば、一般的に以下の3つがあげられます。
1.遺産分割対策
2.納税資金対策
3.節税対策
通常はこの3つを考慮して、生前の相続対策を立てるわけですが、最近では、もう一つ重要な対策が加わっています。
4つ目の相続対策として取り上げられているのが、「認知症対策」です。
認知症対策とは、認知症により判断能力が低下あるいはなくなることで、財産管理ができなくなるために、誰が財産管理をするのか考えておくことです。
認知症対策がなぜ相続対策に加わったのかというと、2025年には65歳以上の認知症の方が700万人になると推測されています。
つまりは65歳以上の方の5人に1人は認知症になるということです。
それだけ人数が多いにもかかわらず、何も対策を立てない多いのが事実のため、専門家からそのリスクを提唱されているわけです。
また、認知症となる期間が平均して10年あります。
人生の終末期が認知症として10年もあれば、それだけ、家族には負担となります。
認知症が発生してしまうと、相続対策を立てることが出来なくなります。
そのため、認知症対策として、認知症になる前に具体的な対策を立てることが求められています。
認知症対策として、注目されているのは、「民事信託」です。
信託契約を締結し、受託者として、家族の誰かを指定して財産管理をまかせるものです。
家族信託が有名ですが、成年後見制度を補完するものとして、相続対策でも注目を浴びています。
しかし、実際に利用する方はかなり少ないのが実情です。
なぜなら、家族の中で財産管理の運営を行うことができない方が多いためです。
その意味では、やはり、成年後見制度を活用した方がよろしいかと思います。
遺言をあわせて任意後見契約を締結することで、判断能力のある状態から、認知症となったときや死亡後まで、財産管理運営を行ってもらえます。
なので、当事務所としては、認知症対策としては、公正証書遺言とあわせて、任意後見契約の締結をおすすめしています。
相続対策の新たな視点となる「認知症対策」を立てているのかどうかが、これからの財産管理に求められてきます。