■人生の最期で起こる一瞬の奇跡とは
人生で大事なことは、人生の最期をいかに過ごすかといっても過言ではありません。
人は必ず死ぬのですから、その直前の数日間は、心穏やかに迎えたいものです。
でも、もうすぐ亡くなることがわかると、精神的にも肉体的にも末期ですが、細胞レベルでは、最期まで本人を生かそうと最大限の努力をしているのです。
その努力の結果、悪化していた容体が一時的に回復する現象が起きます。
これが「ラストラリー」です。
ラストラリーとは、直訳すると最後の回復です。
ラストラリー現象は、あくまでも一時的な回復です。
例えば、意識がなかったり、認知症で何もわからなくなっていた人が、突然、思考回路がつながったり、元気になり、食欲が出てくる等の現象が起こります。
もちろん、すべての人に起こるわけではありませんが、病院の関係者の方は、このような現象をよく見るそうです。
一時的なものですから、時間が経過すると、また意識がなくなってしまいます。
そうするとご臨終を迎えるわけです。
もう一つのラストラリー現象は、幻覚を見ることです。
すでにあの世へ旅立った父母や祖父母に会ってきた、あるいは、枕元で会ってもいないのに子や孫に会ってきた等、現実では起こりえないことを話し始めることです。
これもやはり、お迎えが近いがゆえに、現実とあの世の境目に立っているがゆえに起こる現象ともいえます。
このような言葉を聞くと、医師や看護師のみならず、近親者も旅立つのが近いと悟ることができます。
ラストラリー現象が起こることは、もうすぐ旅立つという本人からのお知らせでありますから、事態を重く受け止めずに、いよいよお別れの時が近づいてきたと感じることが肝要です。
ラストラリーは、死期の近い身近な人が、三途の川を渡る準備段階であることを認識し、受け止めてあげることが大事なことではないでしょうか。