遺言書の内容と書き方

遺言書の内容と書き方

目次

1.法律上効力のある遺言の内容

遺言書には何を記載してもかまいません。しかしながら、法律上、効力を有する遺言事項は限られています。

身分に
関する
こと
子の認知
A
認知とは、婚姻外で生まれた子との親子関係を認めること。認知は生前でもできるが、本妻に言えない場合は遺言で認めることができる。胎児に対してもできる。
未成年者の後見人・後見監督人の指定
C
推定相続人に親権者のいない未成年者がいる場合、その者の生活や教育、財産管理を委託する後見人の指定をすることができる。さらに、後見人を監督する後見監督人の指定ができる。
財産の処分に関すること 財産の遺贈
B
財産を相続人以外の人に贈与することができる。
財産の寄付
B
財産を寄付したり、財団法人を設立するなどの寄付行為ができる。
信託の設定
B
財産を指定した信託銀行等に預けて、財産管理や運用をしてもらうことができる。(遺言信託)
相続に関すること 相続分の指定とその委託
C
法定相続分とは異なる各相続人の相続分を指定することができる。特定の人間に多く財産を残したいときなど。また、第三者に相続分の指定を委託することができる。
遺産分割方法の指定とその委託
B
財産をどのように分けるか、具体的な遺産分割の方法を指定することができる。また、第三者に分割方法の指定を委託することができる。
遺産分割の禁止
C
土地の分割など、すぐに分割が不可能な財産について、相続開始から最長5年以内であれば、財産の分割を禁止することができる。
共同相続人相互の担保責任の指定
C
遺産分割後、財産に瑕疵があった場合、相続人同士による担保責任を軽減したり、加重したりすることができる。
特別受益の持ち戻しの免除
C
相続人の中で特別な贈与や遺贈を受けた者がいる場合、特別受益分として相続分から差し引かれるのを、考慮に入れないように免除することができる。
相続人の廃除や廃除の取り消し
A
虐待や侮辱などの理由で財産を相続させたくないとき、相続人を廃除することができる。また、廃除を取り消すこともできる。
遺言執行者の指定とその委託
C
遺言内容を実行させるための遺言執行者を指定しておくことができる。また、第三者に指定を委託することができる。
祭祀承継者の指定など
B
先祖の祭祀を主催したり、墓や仏壇などを受け継ぐ人を指定できる。

A:遺言執行者による執行を要するもの
B:遺言執行者・相続人のいずれが執行してもよいもの
C:遺言の執行を要しないもの

2.付言事項

付言事項とは、遺言に、本人の希望で、自分がなぜそのような遺言の内容にしたのかという理由や様々な思いを書き加えることです。

家族への思いを記すことは相続トラブルを防ぐためにも意義があります。

生前契約で行われている葬儀・お墓・法要・献体・臓器提供・尊厳死に関する内容の指定も、本人の意思を伝える手段としては有効です。

3.遺言の書き方

下記の記入例を参考にして、紙に書いてみてください。

記入例PDF

遺言を書くときの注意点

1)全文を自筆で書きます。(財産目録に関してはワープロ作成は可です。その場合には、不動産登記簿謄本や預金通帳の写しを添付)

2)日付を必ず入れます。(○月吉日は不可です。)

3)印鑑は認め印・拇印でも大丈夫ですが、トラブルになりやすいので実印をオススメいたします。

4)土地・建物表示は不動産登記簿謄本の表示どおり書きます。

5)訂正個所がある場合には、該当個所に印を押します。欄外に「○枚目に200万円とあるのを400万円に訂正した」と記入し、署名捺印します。

6)封筒に入れ、封を閉じて封印します(変造を防止できます。)

様式に不備があるとすべて無効となりますので気をつけましょう。

※当事務所は、自筆証書遺言作成を希望される方のために、自筆証書遺言作成サポートを行っています。文面をチェックいたします。全国対応です。
メールでの添削はE-mail:takei@shonan.104.netへどうぞ!料金表参照。