葬儀の準備

葬儀の準備

目次

1.葬儀の形式

葬儀の形式は、仏教、神道、キリスト教など宗教によって異なります。同じ仏式でも宗派によってしきたりは異なります。

一般に葬儀は故人が生前に信仰していた宗教・宗派で行います。現実には、日本での葬儀の90%以上が仏式で行われております。

また、最近では音楽葬や無宗教葬、故人を偲ぶ会などの宗教にとらわれない自由な形式の自分らしい葬儀も増えています。

2.葬儀の規模

現在、都市部で90%、それ以外の地域でも50~60%は自宅以外の式場・斎場を利用しています。

葬儀の規模の決定は、予算との兼ね合いが大切な要素です。できる限り盛大に営みたいのですが、月収の2倍程度が目安といわれています。供養は気持ちの問題ですので、身の丈にあった葬儀を行いましょう。

葬儀の費用を抑えるなら、市民葬や区民葬を利用することもできます。

3.葬儀の日程

葬儀の日程は一般的には、死亡した当日に納棺し、翌日に通夜、翌々日に葬儀・告別式とすることが多いです。当日に通夜、翌日に葬儀・告別式を行うこともできますが、法律上、死亡後24時間以内は火葬ができません。(骨葬とは、葬儀・告別式の前に火葬し、遺骨で葬儀・告別式を行うこと)

一般的な日程
一般的な日程
(朝死亡) 
骨葬のとき
死亡当日
身内で通夜(仮通夜) 弔問客を受けての
通夜(本通夜)
身内で通夜(仮通夜)
2日目
弔問客を受けての
通夜(本通夜)
葬儀・告別式、火葬 弔問客を受けての
通夜(本通夜)
3日目
葬儀・告別式、火葬 火葬、葬儀・告別式

 

4.喪主の決定

遺族の代表者として葬儀を主催し、弔問を受けるのが喪主の務めです。喪主は葬儀のみならず、そのあとの年忌法要や供養も行う責任ありますので、慎重に選びましょう。僧侶や葬儀社との打ち合わせのためにも遅くても通夜に入るまでには決めなくてはなりません。

普通は故人の配偶者がなりますが、既に亡くなっていたり、高齢や病気のため無理な場合は長男や同居の子など縁の深い人が務めます。子供もいない場合は親戚が務めます。

5.世話役の決定

喪主や遺族は主に弔問を受ける立場なので、葬儀全般の実務を仕切ることができません。そこで、実際の運営を数名の世話役に依頼することになります。

そして、世話役の中心となる世話役代表を1名立てます。世話役代表は親戚や友人・知人から葬儀の知識と経験が豊かな心配りができる人に依頼しましょう。

喪主から正式に世話役代表候補者に依頼します。

世話役には、以下の係を葬儀の規模に応じて各数名ずつ依頼します。

会計係(香典の管理、現金の出納・精算、出納帳の記帳などの葬儀の経理全般)
受付係(弔問客・会葬者の受付と応対)
進行係(喪主と葬儀の司会進行に関する打ち合わせ)
接待係(弔問客・会葬者や僧侶へのもてなしと料理の手配)

6.戒名とは

戒名とは、もともと仏教の戒めを守り、仏弟子になった証として与えられる仏名で、本来は、生前に与えられるものです。

また、戒名には位がありますが、これは故人の生前の信仰の深さや社会貢献度によって決まるもので、お金で買うものではありません。位の高い戒名をつけてもらったからといって故人の冥福が約束されるものでもありませんので、故人の人柄が偲ばれるような戒名をつけてもらうことが大切です。

なお、いただいた戒名は僧侶に白木の位牌に書いてもらいますが、納骨の際には菩提寺に納め、代わりに黒塗りの位牌を仏壇に飾ります。

7.戒名の構成

戒名は、もともと二文字で構成されていましたが、社会的貢献度や信仰心の厚さなどに対して院号や道号、性別や大人・子供かを区別する位号が加わり、現在のような長さになりました。

院号・院殿号
法号の中の最上位で、昔なら天皇や将軍、現在なら社会的貢献度の高い人につけられる尊称。

道 号
趣味や生き方など故人が偲ばれる文字を使います。

法 号
故人の俗名のほか、経文や仏典の中の1字、自然に関する1字などを使います。

位 号
法号の下に付く文字。
例:居士、大姉、信士、信女、嬰児、童子、童女など

なお、無宗教葬儀の場合は戒名は必要ありません。