1.納骨の時期
葬儀終了後、遺骨はしばらく自宅に安置したあと、墓地に納骨するケースが多いです。
納骨の時期は忌明けの四十九日法要とあわせて行います。
墓地が遠方にあったり、すぐに納骨できる墓がない場合は、長期間自宅に置くことは避けて、とりあえず、寺院や霊園などの納骨堂に仮納骨させてもらうとよいでしょう。その場合は、一周忌か三回忌を目途に墓地へ正式に納骨を行います。
2.納骨と埋葬
埋葬とは死体を墓に葬ることです。現在では、遺骨を墓石の下の納骨室に骨壷ごと納めるケースが多いので、納骨室に納めた時点で埋葬は完了となります。
最近は墓を作らず、寺院や霊園などの納骨堂に永久に納める永代納骨も増えてきています。この場合も納骨した時点で埋葬は完了となります。
3.納骨法要の手配
納骨する際には納骨式を行います。納骨式は遺族や親族などの内輪で行います。
納骨の日取りが決まりましたら、菩提寺の場合は菩提寺の僧侶に、霊園の場合は管理事務所に連絡し、墓石を開ける手配をしてもらいます。
なお、埋葬許可証と墓地の使用権利書(永代使用許可書)が必要ですので、忘れずに持参しましょう。
4.納骨法要の進行
四十九日法要と納骨法要をあわせて行う場合、まず最初に本堂に遺骨を安置し、四十九日法要を行います。
法要終了後、一同で墓地へ移動し、納骨式を行います。納骨式で、墓の石蓋を開けてもらい、施主が骨壷を納骨室に納めます。
石蓋を閉じたら、持参した卒塔婆(そとうば)を墓石のうしろに建て墓前に花、線香、ろうそくを供えます。続いて僧侶が読経を行い、参列者全員で順番に焼香します。
霊園などにお墓がある場合は、四十九日法要は、自宅か寺院で行い、その後一同で霊園へ出向いて納骨式を行います。大きな霊園には寺院も併設されています。
墓石の用意ができていない場合は、納骨室への納骨をすませ、白木の墓標を立てて置きます。
なお、後飾りの祭壇に安置しておいた位牌は、納骨の際に菩提寺に納めます。
5.納骨法要後の会食
納骨終了後、参列者全員で供養のための会食を行うケースが多いです。
お墓の近くの料亭やホテル、自宅などで行います。会食の席は施主が挨拶をします。
このときに簡単な引き物を配ります。表書きには、忌明け後の納骨であれば「忌明志」、忌明け前ならば「粗供養」です。
6.遠方の場合の納骨
遠方に納骨する際は、遺骨は必ず遺族(喪主含む)が2人以上で持って移動します。
遺骨の包みは両手で持ちます。電車などに乗る場合は、遺骨は必ずひざの上に乗せて両手で抱えるように持ちます。座席に置いてはいけませんのでご注意ください。
7.自分らしい埋葬
「お墓に入りたくない」、「値段が高すぎて自分の入るお墓がない」などの理由から、お墓に入らず、自然葬を希望する人が増えています。
自然葬とは、遺骨を細かく砕いた遺灰を海、山、川、湖などにまいて自然に還す散骨による方式です。
墓地、埋葬等に関する法律や刑法の遺骨遺棄罪に反しない程度に節度を持って行うようにします。
樹木葬
遺骨を山に埋葬し、墓石の代わりに植樹するのが樹木葬です。里山の自然保護の観点から、始められました。石塔の代わりにヤマツツジや桜、桃、アジサイなどの花木を植えて目印とします。
国内では、岩手県一関市の知勝院(旧祥雲寺)で最初にはじめられました。現在は、関東・関西・山口県などに樹木葬を取り扱う寺院があります。
樹木葬は、墓地として、許可を受けていることが前提です。
特徴としては、祭祀承継者がいなくてもお墓を買うことができる、宗教・宗派を問わない等があげられます。
費用的には、50~60万円です。2体目からは、10万円。
自然に回帰したいという人におすすめです。
海洋葬
船で海洋に出て散骨するのが海洋葬です。
現在、全国各地において、葬儀社などが海洋葬を行っています。中には、海外での散骨を請け負う業者もあります。
遺族が船に同乗するケースと遺族は同乗せずに業者が代行するケースがあります。
遺族が同乗するケースは、費用的に20~30万円。業者が代行する場合は、10万円未満が多いです。
料金的には、安価です。
映画「世界の中心で愛を叫ぶ」において、散骨を行うシーンもありました。
海へ還りたいという方に適しています。
空中葬
ヘリコプターによる空中散骨が空中葬です。大空に撒かれるので、場所の選定が重要です。そういうことで、日本国内では、ほとんど空中葬は行われていません。理由は、散骨できるところがないためです。
日本以外にもフランスのモンブラン、ハワイ、ニュージーランドなどの上空から遺骨を散骨します。
費用的には、モンブランですと25万円です。
「鳥のように空を舞いたい」あるいは「風と共に去りたい」そんな願望をお持ちなら空中葬はおすすめです。
宇宙葬
遺骨をカプセルに入れて衛星ロケットにのせて宇宙に打ち上げるのが宇宙葬です。カプセルは地球を回る軌道に乗り、やがて大気圏に突入して消えていきます。
打ち上げの様子を撮影したDVDを配布したり、軌道に乗ったことを証明する「宇宙葬証明書」を配布するサービスもあります。打ち上げに立ち会うことも可能です。
万が一、打ち上げに失敗した場合は、契約により、再度打ち上げるケースもあります。ですから、遺骨を全部でなく、一部だけ乗せることとなります。
費用は、100万円程度です。決して安価とはいえません。
スピッツの大ヒット曲「ロビンソン」にもあるように、「ウララ~宇宙の風に乗る~」そのようなイメージになります。
まさに壮大な宇宙のロマンに憧れる人にはおすすめです。