■障害があることを隠して生きようとするのは自滅行為です!
人は見かけによらないとよく言います。
外見だけでその人がどのような人物か把握できるときもあれば、外見だけでは、わからないこともたくさんあります。
先日、ある方とお話したときのことです。
その方は一見、普通のように見えましたが、実は障害を持っていると言われました。
オストメイトであるとおっしゃっていました。
障害がある方は外見でわかる方が多いかと思いますが、外見ではわからない障害者もいます。
それは、うつ病や統合失調症の精神疾患のある方、軽度の知的障害者や内部障害と言われる障害を持つ方です。
精神疾患の方は、状態がいいときは、わからないですが、悪いときは、思考や行動がおかしいので、すぐにわかります。
軽度の知的障害者は、話をしていて得意なこととそうでないことがはっきりしています。
内部障害とは、体の内部の障害のことで身体障害者福祉法で定める障害のうち、以下の7つの障害のことです。
1.心臓機能障害(ペースメーカー)
2.腎臓機能障害(人工透析)
3.呼吸器機能障害(酸素ボンベ携帯)
4.膀胱・直腸機能障害(人工肛門のオストメイト、人口膀胱)
5.小腸機能障害(経管栄養)
6.肝臓機能障害(肝炎ウイルス)
7.ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害(免疫機能低下)
精神疾患、軽度の知的障害者や内部障害を持つ方は、日常の生活では、苦労していたり、困っていることがたくさんあります。
もちろん、日常生活の中で障害を持っているということを告知する必要はありません。
ただし、人生の岐路において、障害を持っているにも拘らず、そのことを告げずにいると大きな問題を生じますので注意が必要です。
1.就職
就職活動において、障害を持っていることを告げずに会社等に就職すると、他の従業員と同様に職務を遂行するのは困難です。
指示された内容が理解できないため、仕事をこなすことが出来ません。
そのため、上司や同僚から目を付けられることになります。
その結果、障害があるという事実を告げると、配置転換等で職務内容を変更してもらえるならまだましです。
退職に追い込まれたり、解雇されることもあります。
結果的に短期間で退職した挙句、失望感に襲われます。
転職しても同じことを繰り返すだけです。
2.結婚
障害があることを相手方やその家族に告げずに結婚する方もいます。
結婚後に相手方がその事実を知り、離婚を突き付けられることもあります。
以前に明らかに脳に障害がある方が結婚していましたが、相手方は少し話し方がおかしい程度で障害であるということに気が付いていないようでした。
親もそのことを知りながら、結婚させるのですから、その事実が発覚すると取り返しがつかなくなるのは目に見えています。
3.出産・育児
障害があることを告げずに結婚し、出産までたどり着くことが出来たとしても、出産と育児は大きな関門です。
健常者と違い、障害のある方の出産は訳が異なります。
お腹の子の負担にならないように過ごすだけでも大変苦労します。
周囲のサポートが必要不可欠です。
出産時もより困難な状況となります。
それでも、子供が元気に生まれてきてくれれば、めでたしなのですが、今度は育児が始まります。
育児は相当ストレスがかかりますので、精神的にも肉体的にも耐えるだけの力はありません。
他者の手を借りて、育児をするか、あるいは育児を断念するか決断に迫られます。
子育てのストレスから、がんを発症して、亡くなった方や産後うつを併発して自死に至った方もいます。
以上のように、障害がありながら、そのことを告げずに就職や結婚すると当人だけでなく、周囲にも迷惑をかけてしまうことになります。
結果的に、障害を悪化させてしまうことにもなりかねません。
寝たきりになることもあれば、最悪の場合、自死に至ることもあります。
ですから、勇気をもって障害者として生きる道を選択するのが賢明です。
家族や福祉施設のサポートを受けながら、生きていく道を選ぶことは、つらいことでもありますが、それが一番生きやすい道でもあります。
障害があると生活や人生そのものが困難にはなりますが、他者の知恵や手を借りながら、生きていくことをおすすめいたします。