行政書士FP武井事務所

親に肩代わりさせる事業主とは

親に肩代わりさせる事業主とは

■起業したなら、自分が事業主だという自覚を持つことは当たり前です!

シニアだけではなく、若い人からも仕事の依頼を受けることはあります。

先日、依頼をしてきた方は、30代前半の男性です。

この方とは以前から仕事のつながりのあったので、依頼を引き受けました。

内容は、運送業である勤務先から従業員での雇用という立場から、個人事業主として、仕事を発注するので、その事業での許認可の届出が必要なので、そのお手伝いをしました。

仕事は順調に終えたのですが、請求書を渡して2か月経過しても支払が滞ったままでした。

何度もメールや電話をしましたが、埒が明かないので、この方の自宅へ行きました。

連絡もせずに突然訪問しましたが、幸い、本人に会うことができ、代金の一部をその場で支払ってもらいました。

残代金は、後日支払う約束を取り付けて、その場は帰りました。

その後、またしても支払いが滞ったままで再三、メールや電話をしても、「次の給料日にのあとに支払う」と回答はあるものの実行されない状況が続きました。

さすがに業を煮やしましたので、再度、この本人の自宅を訪問したところ、今度は母親が出てきたので、事情を説明して請求書を見せたところ、母親が支払うとの回答でしたので、その場を去りました。

母親から見れば、この事業主である息子の性格や懐具合が把握できているので、支払う力がないと判断して、このような申し出をしたわけです。

ただし、本来、この本人が支払わなければならない請負代金を親だからといって支払わなければならない義務や強制力もありません。

つまりは、母親は息子の請負代金の返済義務を負っているわけではありません。

それにしても自分で当方に業務を依頼しておきながら、母親に肩代わりさせる行為に至るというのは、この事業主である本人にとっては、恥ずべき行為です。

未成年でもないわけですから、これでは、ニートやひきこもりと次元が変わりません。

この母親に残代金を支払ってもらったので、当方はそれ以上は本人には言いませんが、どうもこの方は、認識が甘いようで、自分が事業主であるという自覚に欠けています。

このままでは、事業もうまくいかず、息詰まるのが目に見えています。

この方は独身で、給与といっても雀の涙ほどしかなく、経済的にはきびしいようです。

それでも当方から言わせれば、「人に迷惑をかけるために事業を始めるならば、さっさと廃業して、違う仕事を見つけなさい」という想いしかありません。

世の中はきびしいのですから、いつまでも甘えていないで、自分が事業主であるという自覚を持つことから始めるべきです。