終活

生涯独身の女性を支援することとは

■結婚が難しいと思ったなら、終活を始めてみませんか!

先日、ある懇親会にて、40代後半の女性とお話しする機会がありました。

現在、建設会社の事務職で一見すると、まじめそうで品格があるように見受けられました。

この方は、結婚歴がなく、母親と同居で二人暮らしをされているとのことです。

結婚していないのが不思議でしたが、話をしているうちに、なぜこの方が独身のままなのか、なんとなくわかりました。

この方は、お酒を飲むのが好きで、かなり速いペースでお酒を飲んでいました。

また、酔いが回ると、一人だけ大きな声で話を始めました。

はじめのうちは楽しそうな方だと思いましたが、場が進むにつれ、興ざめした感がありました。

確かに懇親会の場では、ムードメーカー的な役割で、場を盛り上げるかもしれませんが、とても家庭に収まるようなタイプではありませんでした。

スナック等の飲食業には向いているタイプといえば、わかりやすいでしょうか。

この方の他にも30代後半の女性ともお話ししました。

やはり、この方も独身でした。

この方の場合は、仕事に夢中になりすぎていて、プライベートには時間を割くことができないとのことでした。

話をしていると頭の回転は素晴らしいのですが、なぜかあまり魅力は感じませんでした。

キャリアウーマンとなり、仕事に没頭してしまうと、視野が狭くなり、その時はよくても、後になって、後悔する方もいます。

上記のようなタイプの女性で、生涯独身のままとなってしまうケースがよく起こりえます。

男性の場合は、独身貴族という言葉がありますが、女性の場合、独身のままでいて、独身貴族とは言いません。

結婚はいくつになってもできますし、独身でいること自体が決して悪いわけでもありません。

それでも独身のままで生きていく覚悟があるならば、ある程度の年齢を重ねたなら、自分自身の終活のことも考えなければなりません。

また、一人暮らしであるならば、孤独死対策についても考えておく必要があります。

その意味では、年齢を重ねた単身女性の生活には、リスクがつきものですから、先々のことを考えておき、困ったときにサポートしてくれる友人知人や支援団体を確保しておくことをおすすめします。

たとえ生涯独身のまま、人生を終えたとしても、支えてくれる人や団体がいれば、決して、ひとりぼっちの人生ではないということが実感できるのではないかと思います。

実際に80代の生涯独身の単身女性の支援を行っていますが、遺言を作成したり、任意後見契約を締結する等の終活を実践しています。

また、要介護者の場合は、ケアマネージャーとも連携してサポートしています。

そのような支援活動を担うべく、終活団体を運営しておりますので、お困りの方や将来に不安のある方は是非ご相談ください。

アパート暮らしの方の終活とは

■どんなに生活状況がきびしくても、相談することで光が見えることもあります!

ファイナンシャルプランナー(FP)として、生活相談を受けています。

そのご相談の中から、ご紹介します。

70代のご夫婦で終活のことが気になり始めたとのことです。

お聞きすると、知人との間で金銭トラブルとなり、埼玉県内の自宅を売り払い、神奈川県内のアパートに引っ越ししてきたとのこと。

現在、夫は内臓が悪化し、先が長くないようです。

妻も高齢で働くことはできません。

少ない年金生活で、貯金もそう遠くない将来、底をつきるとのこと。

どうしたら、よいでしょうか?

⇒以下、回答です。

今、高齢者で預貯金がほとんどない方が増加中です。

高齢で預貯金がなくなれば、「老後破産」となります。

今の暮らしを改善する方法はなかなか見つかりません。

体が元気であれば、働く場を見つけてみることをおすすめしますが、すでに体力がなければ、それも難しいです。

このままだと、生活が破綻してしまいますので、生活保護の受給も検討すべきです。

また、夫婦であっても孤独死してしまう可能性もあります。

お金がなければ、老人ホームへの入所や終活の実践は難しいですが、せめても孤独死対策は取っておくことができます。

孤独死対策として、近所づきあいや知人友人や地域との交流に参加してみることをおすすめします。

常に地域包括支援センターに連絡してみるのもよろしいと思います。

アパートの中でひきこもり状態になってしまうのは、よくありませんので、常に外部とのネットワークを築いておくことで、孤独死に対応できます。

人生の最後にアパートで暮らすことになるのは不本意でしょうが、今は、それを受け入れ、生活全般を相談できる方を確保しておくことが肝要です。

住まいの終活とは

■自分自身の家について考えておくことも終活なのです!

終活がメディアで取り上げられるようになって久しいです。

終活という言葉だけが先行していた感もありましたが、今では、世の中に浸透してきた感があります。

終活について分野が広いので、細分化したうえで検討してみるのもよろしいかと思います。

特に相続分野において、話題となっているのが「住まいの終活」です。

住まいの終活とは、自宅を今後どのようにしていくのか情報を整理して、数ある選択肢の中から対策を講じることです。

これは、現在お住まいの自宅をどのように活用するのかについて考えておくことです。

特に一人暮らしの方や夫婦のみの一人暮らし予備軍の方が対象となります。

自宅であれば、誰も住む人がいなくなった時のことを想定しておきます。

その場合、考えられる選択肢としては、

1.賃貸

空き家にしたくなければ、生前から第三者に貸すという方法です。

建物が古ければ、新たに建て替えたり、リフォームすることで、賃貸しやすくなります。

家賃収入を得ることもできますが、新築やリフォーム代がかかることと借りる人がいないことも想定されます。

2.売却

誰も住む人がいなければ、やはり売却ということになります。

売却の場合、買主がすでにいれば、不動産屋を利用せず、個人売買となりますが、やはり不動産売買においては、専門家の手助けも必要になってきます。

買主が見つからないこともありますので、価格設定や不動産屋の選別が重要となります。

3.有効活用

手っ取り早いのは、更地にして、駐車場にするケース。

維持費がかからないメリットがあります。

場所によっては、マンションやアパート建設や商業地ならビルの建設等による有効活用です。

不動産コンサルティングにより、的確なアドバイスをもらうことが肝要です。

また、最近では、コミュニティホールや認知症カフェ等の地域住民の憩いの場としての活用法もあります。

4.生前贈与

夫婦間や親子で贈与を行うことで、贈与を受けた方が居住する、あるいは賃貸・売却・有効活用を行います。

住まいの終活を行う上で、最も大切なことは、不動産の専門家に相談することです。

相続にも精通している不動産の専門家なら特に良いです。

いずれの場合も専門家に相談したうえで、住まいの終活を実践することが肝要です。

終活年賀状とは

■年賀状の作成が負担と感じる方が行うべき儀式とは!

12月に入り、師走で慌ただしい日々を過ごしている方も多いかと思います。

12月になると、毎年、頭を悩ませることで思い浮かぶのが年賀状のことです。

年賀状を作成する方法やその負担は、人により異なります。

しかし、高齢になるとやはり年の瀬には勝てず、年賀状を作成するのが面倒になったり、億劫になったりする方も多いです。

そこで、年賀状に「今回限りで、年賀状を出すのを終わりにします」という文面を入れておく方が最近では増えています。

このような最後の案内となる年賀状を「終活年賀状」といいます。

終活年賀状といっても、特に決まった文面や形式はあるわけではありませんが、「高齢となり、年賀状を作成するのが困難となるので、来年からは年賀状を出すことはできません」といった内容です。

理由を書いてもいいですし、書かなくても構いません。

終活年賀状は、決して縁切り状ではありませんので、相手との関係を切る文面にするのは、いかがなものかと思います。

年賀状でのやり取りは難しくても、電話やメールでのやりとりなら、大丈夫であれば、関係性を継続させるのが得策です。

終活年賀状は、年賀状の存在を否定するものではなく、自分自身の年末の儀式の終了を告げるものであります。

終活ブームの中で、今や終活年賀状がブームになりつつあります。

相手に対して何も告げずに年賀状を突然辞めてしまうよりも、むしろ、親切なものであると理解することが寛容なことであります。

臨終学とは

■人生の最後の場面をあらかじめ想定しておくことは大切です!

終活がブームとなった現代では、死について語ることは、決して縁起が悪いことではありません。

むしろ、老い支度や亡くなった後の準備をすることを賞賛する声もあります。

そのような中で、幸せな形で最期を迎えたいと切に願う方もたくさんいます。

そのような自分にとって、最高の形で臨終を迎えることを考えるために生まれた言葉が「臨終学」です。

この臨終学という言葉は、一般的なものではありませんし、臨終学という学問が創設されているわけでもありません。

しかし、ご臨終に至るまでに何をすればいいのか、考えておくことや、臨終の苦しみを和らげることを準備しておくことは、終活にもつながることであります。

60歳からの幸せ臨終学」(志賀貢)という著書があります。

50年以上、看取りを行った医師による著書ですので、様々な臨終の場面を見てきた経験から語られています。

臨終とは人として、最期に必ず通る道なのですから、どこで、誰に看取られて旅立ちたいのかということを想定しておくことで、心に余裕もできてくるのではないでしょうか。

家族に看取られたい方も多いでしょうが、それぞれ事情を抱えていたり、遠距離であったりすれば、看取られることは難しいかもしれませんが、そのような希望があれば、伝えておくことも大事です。

特にひとり暮らしの方は、孤独死という問題にも直面します。

孤独死は誰にも看取られずに亡くなるので、その対策が必要不可欠であるのはいうまでもありません。

臨終という人生の最後の場面にこそ、その方の人生観や生きざまが現れるのではないでしょうか。